素粒子論 |
藤原 高徳 |
専門は, 素粒子論と場の理論です.対称性が量子論的な効果で破れる
「量子異常」という現象に関係した物理を研究しています.最近は, 格子
上のゲージ理論のトポロジー的構造が格子場のダイナミックスに及ぼす影
響について調べています.
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受験生の皆さんへ
物理は,苦手だという高校生が多いようですが,私にとって物理は単純で,
習得しやすい科目でした.基本的な法則や原理をしっかりと理解すれば,
公式など暗記しなくても自然と覚えることができたし,忘れてしまって
も基本原理から導くことができます.問題を解いて得た答が物理的直
観に合致したときはうれしいのはもちろんですが,自分の最初の直観と
はまったく違う答を得たときの驚きはそれ以上に楽めます.
両手の指の数にも満たない基本法則から,様々な現象を説明できるので
す.物理ってすごいと思いませんか?
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研究者情報
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阪口 真 |
私の専門である素粒子理論は重要な発展の時期を迎えています。量子論と特殊
相対性理論との結合=場の理論は、
目覚ましい発展を遂げ超対称大統一理論へと発展しました。スイスのCERNで稼
働しているLarge Hadron Colliderにおいて、この統一理論で予言されるHiggs粒
子や超対称粒子の存在が実証されると期待されています。また、量子論と一般相
対性理論の結合=量子重力理論は、その唯一無矛盾な最有力候補である超ひも理
論の最終的定式化へ向けて大きく進展し、完成まであと一歩の所まで来ています。現
在私は、ミクロな世界を記述する場の理論とマクロな世界を記述する重力理論の
双対性を導きの糸として、超ひも理論の最終的定式化を目標に研究を進めています。
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受験生の皆さんへ
コペルニクスの地動説、ダーウィンの進化論、プランクに始まる量子論や
アインシュタインの相対論など、自然科学の発展は、我々の世界観を度々一
変させてきました。つまり自然科学は、我々に新たな知識を与えるだけでなく、
それまで持っていた世界観を一新することで、我々を生まれ変わらせてくれる
とも言えます。それに伴う驚きや感動は何物にも代え難い人生の宝物です。
しかし学ぶ努力を惜しまない者にしか見つかりません。さあ!宝探しへ出かけよう!
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研究者情報
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百武 慶文 |
素粒子物理学のテーマは年代ごとに大きく異なります。
それは「素粒子」という概念が常にアップデートされてきたからです。
20世紀前半では「電子、陽子、中性子」が主な研究対象でしたが、
20世紀後半以降は、陽子や中性子の下部構造として「クォーク」や、
電子を含めた「レプトン」等が盛んに研究されてきました。
そして21世紀初頭では、クォークやレプトン等のペアとなる
「超対称粒子」の実験的検証が大きなトピックとなっています。
また、クォークなどの質量の起源を実験的に解明することも期待
されています。理論的にはさらに飛躍して、素粒子を「弦」の振動
とみなす超弦理論の研究も盛んに行われています。アインシュタイン
が時空の概念を覆してから100年ほど経過しましたが、それをさらに
覆すような新たなアイデアが必要とされています。
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受験生の皆さんへ
現代技術は常に進歩していますが、それは物理学の発展の証でもあります。
皆さんが普段何となく使っている物からもそれは感じ取ることができると
思います。身の回りにある「物理」を感じ取って、自分流に理解してみて
ください。そこには発見と驚きがありますよ。
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研究者情報
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物性理論 |
福井 隆裕 |
我々の世界は数えきれない多くの様々な物質から成り立っています。これらは、また極めて多様な性質を持ち、
数多くの現象を引き起こしています。しかし、同時にこれらは、条件を整ると驚くほど似通った性質を
持つことが分ります。このように、多様な物質に潜む普遍性を研究しています。
具体的には、大学院時代は原子核理論、その後、物性理論の研究を始め、現在に至っています。物性理論の
中では、可解模型やアンダーソン局在の研究をしてきました。現在は、物質の持つトポロジカルな性質に
興味を持っています。
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受験生の皆さんへ
社会人になると、自分の専門や本当に自分が興味を持つこと以外の
勉強をすることは無くなるでしょう。つまり、その人の知識全体は、
ほとんど高校で決まってしまうことになります。例えば、理系に進学すると、
文学や歴史は、興味ある人以外は基本的に高校までの知識でその後の人生を
歩んでいくことになります。このように考えると、いろいろなことを
勉強することは大事ですね。物理や数学だけでなく、様々な科目の
勉強をしたり、多くの楽しい経験を積み重ねてください。
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研究者情報
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中川 尚子 |
学問の歴史の中で、物理学はなかなか生命現象に手を出せずに来ましたが、
現代技術の発展により、ようやく「生物物理学」が育ってきました。
例えば生命の基本部分をなすタンパク質やDNAは、原子が数万個程度集まった
だけなのに、生命を支える機械として立派に働いています。生きて
いるのは当たり前でも、いまだその基本部分の動作原理すら解明されておらず、
現代の物理学が研究すべき対称です。
物理学は応用範囲の広い学問なので、このような新しい分野にも
通用する道具をそろえていますし、同時に新しい分野の研究を通して
新しい道具を作り上げ、より一層発展していくでしょう。
皆さんには、物理学のこのパワフルさを学びとってほしいと思います。
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受験生の皆さんへ
「身の周りの自然現象に関心を持ち素直に感動すること」が自然科学の
基本ですが、特に物理学では必須事項です。
受験勉強では目先の問題に正解することに因われて、実際の現象を
おいてきぼりにしがちですが、少し立ち止まって現象を想像してみて下さい。
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研究者情報
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佐藤 正寛 |
私は主に物性理論と呼ばれる分野で研究活動しています。物性科学の研究テーマは、「宇宙の始まりは?」「星の終わりは?」のような幼い頃から思い浮かべることができる素粒子・宇宙物理学の魅力的な問題とは質的に異なります。
物性科学では身の周りの物質・現象が研究対象であり一番身近なはずですが、(身近すぎる故)物理学をある程度学習した後でないとその魅力に気づくことができません。
しかしながら、面白いことに、物性科学で必要な理論や思考は素粒子論・宇宙論のそれと共通する部分が多いのです。物理は1つということです。身近な物質・現象が対象であることから、
(実はあまり知られていませんが)物理学全分野の中で物性科学研究者の人口が圧倒的に多く、それ故、日々新しい研究の発展が継続しています。私は、このような分野で新しい現象の予言や新しい概念・分野の構築に挑戦しています。
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受験生の皆さんへ
4年生まで必死に物理学(と数学)を学んでください。偉大な先人が構築してきた物理学の英知は重厚で、4年生まで頑張ってやっと20世紀前半までの物理学が理解できるようになります。
ここまで学習してようやく、自分が物性・素粒子・宇宙または実験・理論のいずれのテーマに向いているか考えることが出来るようになるでしょう。
是非、自分にふさわしい研究室を選び21世紀の物理学と親しんでください。また、大学での学習を物理学に絞ることで、学習以外の時間に余裕を持たせることができるかもしれません。
是非、大学生に与えられた自由な時間を使って学業以外の面でも充実した生活を送ってください。
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研究者情報
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物性実験 |
佐久間 隆 (応用粒子線) |
研究テーマ: 「X線・中性子線によるエネルギー材料」
理学部の位置する茨城県の北部には、日本原子力研究開発機構
(日本原子力研究所 と核燃料サイクル開発機構が2005年に統合)があります。
原子炉および加速器か ら発生する中性子線など量子ビームの利用が可能な地域です。
従来の発電のための原 子力科学とは異なり、エネルギー材料などに関連する分野での
粒子線科学の利用が、 茨城大学で行われています。
研究の詳細は、研究室のホームページ
(http://stars.sci.ibaraki.ac.jp/~sakuma/index.html)を参照してください。
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受験生の皆さんへ
大学に入学し、物理学の基礎を勉強して下さい。
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研究者情報
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伊賀 文俊 |
主として,希土類(レアアース)や遷移金属という磁性を帯びやすい元素群と,硼
素(B)や酸素(O)などの軽元素の化合物を育成し,その物性研究と新しい機能を
発揮すると期待される物質開発を行っています。物質は,実に多彩な結晶構造と物
理的・化学的性質を示してくれます。中には3000度近くの高い融点を示すものもあ
るので,いつも結晶育成に成功するとは限りませんが,これに挑戦するのもまた研
究の楽しさです。育成に成功した結晶の電気伝導や磁性,熱物性などを調べ,それ
らの物質がどのような機能を示すのか,その仕組みはどうなっているのか明らかに
していきます。いずれはエネルギー問題を解決できるような究極の化合物を,この
中から生み出せればと夢みています。
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受験生の皆さんへ
物理は机上の理論(そう思っている人はいませんか?),ではありません。物性分
野だけ見ても,私たちの実生活におおいに役立っており,多くの産業分野を支えて
います。皆さんには,それらの基礎を大学で学び,将来何かの役に立てる知識を身
につけてくれることを願っています。
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研究者情報
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横山 淳 |
20世紀における量子力学の構築以来、今日まで物質に対する理解やその応用研究は急速に発展し、
私たちの生活を豊かにしてきました。しかしながら、自然界に存在する物質にはまだその性質が未知ものがたくさんあり、
新しい現象が続々と発見されています。私たちは特に希土類や遷移金属化合物が示す磁性や超伝導などの量子現象に注目し、
それらを極低温環境や原子・分子レベルまでのミクロ測定を用いて研究することによって、
それらの性質の解明や更なる新現象の発見を目指しています。
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受験生の皆さんへ
物理などの自然科学の基本的性質を勉強によって習得するとともに、
身の回りの物質や自然現象をよく観察し、その仕組みを自分なりに考察することを心がけてください。
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研究者情報
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桑原慶太郎 (応用粒子線) |
ものがたくさん集まるとその全体としての性質は個々のものの性質の単純な足しあわせからは
思いつかないような多様性をしめします。私はそのようなことに興味があります。その中で、特に
固体の磁性と超伝導について、X線回折・中性子散乱等の手法により研究しています。
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受験生の皆さんへ
高校までの物理の印象と大学の物理は違っているところがあるように思います。
大学の物理では、おもしろいなあと思うことが新たに見つかるかもしれません。
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研究者情報
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宇宙理論 |
吉田 龍生 |
私は、宇宙物理学の中でも、特に高エネルギーの現象に興味を持っています。さまざ
まな天体の中でも、現代物理学によって素性の解明が最も進んでいるのは、夜空に静
かに輝く星ですが、決して永遠の存在ではないことが知られています。星によって
は、最後に大爆発を起こし、星間空間に飛び散ります。星が放出した物質は想像を絶
する運動エネルギーを持って、星間空間の物質にぶつかります。高校の物理でも勉強
するように物体どうしの衝突によって、運動エネルギーはいずれ熱エネルギーへ変換
されて行きます。実際に物質どうしが激しく衝突した場所が、熱いということは、こ
の場所がX線という高いエネルギーの光(電磁波)を放っているということからもわ
かっています。ところが、最近、X線より非常に高いエネルギーの電磁波であるガン
マ線で宇宙を見る望遠鏡が進歩したことで、このような場所のうちのいくつかは、ガ
ンマ線も放っていることがわかってきました。簡単な算数でわかるのですが、これ
は、単に運動エネルギーが熱エネルギーに変換されたわけではないことを意味しま
す。ごく一部の物質(荷電粒子)ですが、幸運にもエネルギーをもらって加速されて
いるのです。なぜ、宇宙ではこのようなことが起こっているのでしょうか。私はこの
謎を解きたいと思って研究しています。問題を見つけることが、すべての出発点で、
自分の解きあかしたい問題が何かを探しながら、道を進んで行けば、多くのことを学
ぶことができるでしょう。それは、例え問題が解けなくても、大変愉快なことではな
いでしょうか。
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受験生の皆さんへ
もしも、いわゆる受験勉強に疲れて、物理が嫌いになりそうなとき、以下の文庫本で
も寝転がって読んでみて下さい。
「鏡の中の物理学」朝永振一郎著 講談社学術文庫31(講談社刊)
「僕らは星のかけら〜原子をつくった魔法の炉を探して〜」マーカス・チャウン著
糸川 洋訳 SB文庫(ソフトバンク パブリッシング刊)
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研究者情報
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釣部 通 |
宇宙の中の様々な構造(=天体)の形成過程を理論的な観点から研究しています。
星や惑星その他のさまざまな天体が、どのようにして生まれたのか?
このメカニズムを理解するために、理論物理学(宇宙物理学、天体物理学)の手法と
計算機による数値シミュレーション(計算物理学)の技法を相補的に組み合わせて
研究しています。
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受験生の皆さんへ
不思議だと思い、良く観察して確かめ、よく考える。これが謎を解くための科学の基本
姿勢です。確かめるための道具として実験を用い、考えるための道具として数学を用いる
という物理学の方法が大成功をおさめてきました。このような物理学の考え方を習得したい
と思う人に、教科書だけでなく色々な本も読んで、不思議だと思う事を持って入学してきて
欲しいと思います。
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研究者情報
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宇宙観測 |
百瀬 宗武 |
専門分野:「電波天文学」
私は電波で宇宙の観測をする分野(電波天文学)を専門にしています。宇宙には,人
間の眼では見ることができない星の材料になるような物質が存在しています。それら
が出す電波を詳しく調べることで,宇宙の中で星がどのように誕生しているのかや,
惑星がどのように生まれるかを調べています。また,学外の研究者と協力して,南米
チリに巨大な望遠鏡を建設する国際協力プロジェクト(アルマ計画)にも参加してい
ます。
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受験生の皆さんへ
興味をもったことに全力で深く取り組んで下さい。勉強は難しいこともあるかもしれ
ませんが,少し分からないことがあっても粘り強く,時間をかけて,取り組んでみて
下さい。どんなことでも,最初に少し時間がかかっても確実な力を身につければ,将
来にわたってずっと役立てることができるはずです。
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研究者情報
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岡本 美子 |
専門分野:赤外線天文学
目で見える光(可視光)以外にも、宇宙からはいろいろな波長の電磁波がやってきます。
可視光以外の電磁波を使った天文学は20世紀後半以降に大きく発展しました。
私はその中でも、温かい物質や天体から放射される赤外線を使って、星や惑星が生ま
れる現場の観測を進めています。観測では、ハワイにある国立天文台のすばる望遠鏡
や、JAXAが打ち上げる赤外線天文観測衛星などを使っています。また、すばるで観測装置を
開発した経験を活かし、自分たちで新しい赤外線観測装置を開発して最先端の技術開発
を進め、またそれを使って観測する計画も進めています。
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受験生の皆さんへ
学校で勉強する物理学は、どうしても机の上だけの話で終わってしまいがちです。
けれども、物理学は身の回りのいろいろな現象を説明するために発展してきた、
現実の科学です。ただ単に式を使うことに終始せずに、物理学の考え方や説明が
どのような現象と結び付いているのかを考えながら学ぶようにして下さい。
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研究者情報
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片桐 秀明 |
私は、ガンマ線で宇宙を観測して高エネルギーの天体現象を研究することを専門と
しています。ガンマ線は最もエネルギーの高い光(電磁波)です。太陽の光を可視
光と言いますが、ガンマ線1個は可視光1個の100万倍以上のエネルギーを持ってい
ます。そのようなエネルギーの高い光は、宇宙線という宇宙空間を飛び回る高エネ
ルギーの粒子から放射されます。その粒子のエネルギーたるや、数kmもある巨大な
人口加速器で作られる粒子に匹敵、あるいはそれ以上です。宇宙からガンマ線が到
来するということは、宇宙では巨大加速器と同様のプロセスが何かしらの物理法則
のもとに働いているということを意味します。そのプロセスを引き起こしている天
体は、超新星爆発(星が進化の最後に起こす大爆発)であったり、巨大ブラックホー
ルであったりしますが、プロセスの詳細はまだよく分かっていません。ガンマ線の
観測は、衛星、あるいは地上の望遠鏡を用いて昔から行われてきましたが、本格的
な結果が出始めたのは2000年に入ってからであり、非常に新しい研究分野です。特
に、2008年にNASAによりフェルミというガンマ線衛星が打ち上げられ、現在非常に
エキサイティングな成果が出始めています。私は現在、フェルミ衛星を用いて宇宙
線の研究をすると共に、次世代の国際共同研究によるガンマ線望遠鏡であるCTAの開
発を進めています。
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受験生の皆さんへ
宇宙の物理学とは何か、と考えると難しいですが、1つの答えは宇宙における様々
な現象の背景にある法則を、観測を拠り所にして追求すること、ではないかと思い
ます。この営みは、昔から様々な民族が独自の宇宙観を持っていることから考える
と、きっと人類の根源的な欲求ではないかと思います。皆さんが宇宙に興味を持っ
て、その中から少しでも私達と一緒にガンマ線観測を楽しむ人が出てきたら幸いです。
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研究者情報
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塚越 崇 |
太陽のような星や惑星がどのように産まれるのか?この問題を明らかにする事は、
現代科学における重要な目標の一つです。私は、様々な大型望遠鏡を用いた観測
を通じて、この答えに迫る研究を続けています。特に専門としているのは、天体
が放射する電磁波のうち、電波と呼ばれる波長を用いた観測研究です。電波では、
星や惑星の源泉である、宇宙空間を漂う冷たいガスや塵を直接観測する事が出来
ます。それゆえ、星や惑星の形成過程を調べる上で、極めて重要な意義を持ちます。
近年、南米チリにある大型電波望遠鏡「アルマ」が運用を開始しており、このよう
な最先端の装置を使用した観測研究も推進しています。
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受験生の皆さんへ
物理学というものは、日常生活の奥深くに根付きその基盤となっています。どのよう
な進路を歩むにせよ、重要な知識となるケースが多々あるでしょう。当然、一朝一夕
では学べず、基礎の積み重ねがとても重要です。基礎勉強は大変で飽きやすいもので
すが、疎かにしてはいけません。その苦労に比例して、将来の視野が広がるでしょう。
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研究者情報
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