学部での専門教育は, 高校の教育課程とのスムーズな接続を考慮して
設計されていますが, 受講しなければならない授業科目が多いことや
授業の進め方が高校までの教育とは異なるなど, 大学に入学当初は戸
惑いを感じることがあるかもしれません. 特に, 物理学は積み上げ的
に専門教育が行われるのと数学を道具として使用しますので, 基礎を
固めながら学んで行くことが大切です.
学部専門教育で基本的に重要な科目は, 「力学」, 「電磁気学」,
「熱統計力学」, 「量子力学」, 「物理数学」です.通常, 授業は週1回90分
で半期15回行われます. 限られた時間と回数で授
業を行いますので1回の授業で扱う授業内容も高校の授業よりも
多くなるのが普通です. また, これらの授業には対応する「演習」が
設けられています. 講義で学んだ事柄を実際に演習問題を解くこ
とによって理解を確かなものにします.
物理学は, 実証科学です. 実験的手法で自然のしくみや物質の構造・
性質を明かにしてきました. 「物理学実験」は, 実験を通して物理学
への理解を深めたり, 実験・測定のしくみや手法, 実験レポートの
まとめ方などを習得するための科目です. 専門教育の重要な柱として
各年次で実験科目が用意されています.
3年次から4年次にかけて,「素粒子物理学」,「物性物理学」,
「宇宙物理学」などのより専門的な講義が開講されます.
概論的授業を中心に, 個別専門分野の基礎ついて紹介します. 物理学
の知識を広めると同時に, 卒業研究に向けた興味や関心を
喚起します.
学部教育のしめくくりは、4年次の卒業研究です. 学生はいずれか
の研究室に配属され, 1年間その研究室で卒業研究を行います.
理論系の研究室では通常, 専門書や論文をもちいた
輪講が行われますが, それとは別に個別の研究テーマに沿って研究するよう指導さ
れる場合もあります. 実験系の研究室では, 専門書や論文の輪講と実験を行うこと
が普通です. 本気で取り組めば, 将来にわたって貴重な経験となるでしょう.
授業の流れ図